素潜りDay~沖縄生活、最後の海
2008年01月14日
真鶴からうみぼーずさんがやって来た。彼とは、僕が沖縄移住への下見旅行の時に真栄田で知り合って以来の付き合いで、移住後の週末という週末は一緒に海に行き、沖縄の海のポイントをいろいろと教えてもらった海の師匠といっても言い過ぎではない。また彼のジャック・マイヨールや鶴耀一郎に対する思いや、海に赴くスタイルには大いに刺激を受け感化された。そんな彼が沖縄での3年の生活を終えて、2006年4月に本土へ帰った。そして約2年ぶりに一緒に素潜りに行く。
砂辺
5日間の日程で沖縄にやって来て、まず初日は砂辺である。今年の初潜りは真栄田だったが、この日は砂辺初潜りである。1月にしては暑いくらいの陽気だ。護岸の拡張工事も進み、立派になった防波堤から海を眺めると、これまた1月にしては珍しくベタ凪である。クジラの鳴き声ももう聴こえるかなあと言いながら、穏やかな海へエントリーする。水深15~6mで漂って耳を澄ませば、かなり遠いがホエールソングが聴こえてくる。もうザトウクジラも慶良間海域に来ているようだ。
ホーシュー(万座毛)
この日は、気温25度、風は南東で夏のようだ。真栄田も凪いでいるが、これなら万座にも入れる。糸満から高速で恩名村へと向かう。釣り小屋直下のホーシュー北からエントリーする。海はベタ凪だが平日とあってダイバーは全くいてない。万座毛直下の洞窟に入ったり、ホエールソングに耳を澄ませて楽しんでいるのも束の間で、このあと沖縄の海で人生最大の恐怖を体験することとなる。この日は、デジカメの水中ハウジングを忘れたので水中写真が無いのは残念である。
海は穏やかだが、沖には・・・
![素潜りDay~沖縄生活、最後の海](//img05.ti-da.net/usr/okinawalife/hoseshoe.JPG)
万座毛から南側のポイントへ泳いで移動しようと、釣り人の投げるルアーの邪魔にならないように沖へ出ると、足元は真っ青な深い海で何も見えない。ホエールソングも聴こえたし、ここにクジラが出てもおかしくないよなあ。なんて他愛のない会話を交わし、ちょっと深く潜ってみるかと呼吸を整えて目をつぶってリラックスしていると、いきなり腕を掴まれたので、びっくりして振り返ると、「サメ!」と、うみぼーずさんが叫んでいる。そして「下を見てみなよ」と言われて水中を覗くと、3~4m下で2匹のサメが回っている。そして、その後ろからもう2匹がこちらに向かって泳いでくる。
「うみぼーずさん、やばいよ」と言い放ち全力でフィンキックをしながら逃げる。しかし、サメは2~3mの距離を保ちながら、品定めをするかのようにゆっくりと泳ぎ着いてくる。なんと6匹も集まってくる。サイズは2mぐらいだが、数が多すぎる。さすがのうみぼーずさんもやばいと感じたのか、二人が離れないようにしてサメから目を離さないように真下、後方と振り返りながら、とにかく全力フィンキックでリーフを目指す。
ふと前を見ると釣り人が投げた仕掛けと錘が飛んでくる。頭に当たって血でも出たらどうするねん。サメが狂乱策餌して確実に襲われる。そんなことが脳裏をよぎる。そして下を見ると真下2mぐらいに迫ってきている。こうなれば来るなら来い。アタックしてきたらこちらも覚悟を決めて戦うしかない。と思いながらひたすら逃げる。うみぼーずさんも追い払うようにフィンでキックしている。
この時ばかりはロングフィンで良かったとつくづく思った。ロングフィンのおかげでこちらの全長も大きく見えるだろう。サイズ的にはサメと対等なので、サメもかなり警戒していたようだ。これ以上深追いして浅場に行くのは危険と判断したのだろうか、リーフが見えてきた頃には向きを変えて去っていった。サメが去ったのは確認できたが、僕はそのままリーフを超えてとりあえず足が着くところまで泳ぎ切った。が、うみぼーずさんは、サメが去ったリーフの手前でまだ泳いでいる。
彼はカメラを持っていたのに写真に収められなかったのが残念そうだ。もし、僕がデジカメを持っていたとしてもまず写真には撮れなかっただろうが、今思い起こせばいいアングルは何度もあったし、あのずんぐりした体形と悪そうな目は脳裏に焼きついている。サメの種類はなんだったんだろう。詳しくは特定できないが、メジロザメ科のサメだろうか。
今まで海でサメと遭遇したことはなかったので、今回は不意を付かれてちょっと(かなり?)びびってしまったが、いきなりアタックしてくることもないし、向こうもかなり警戒していたので、2mぐらいのサメだとそう恐れることもないのだろうか。沖縄の海を最後にして意外な大物に遭遇してしまった。
再び万座毛(アポガマ)
この日は素潜り、魚突きメンバーが集まって僕の送別BBQをしてくれる。昨日の今日で、サメとの遭遇をみんなに話すが、あまり怖がった様子はない。へぇ~という感じ。我々もリベンジで今日はせめて写真は撮りたいと思うが、土曜日とあって大勢のスクーバダイバー賑わっている。外人ダイバーがほとんどだ。真夏のような人出で、これだけの人がスクーバで潜っていればサメも来ないだろう。
いつもは持たない水中ナイフと昼間なのに水中ライトを持って入る。水中ライトはいざと言うときに目に当てて目くらましにするか、電池を出して水中で放電さすと、その電流に驚いて逃げるらしい。今日は人数も多い。ドロップオフの壁を背に潜っていると安堵感があるし、リーフへとすぐに逃げられる。サメリベンジは出来なかったが、大勢集まってのBBQは楽しかった。このような宴を催してくれて感激である。
ダイナミックなホーシューのドロップオフ
![素潜りDay~沖縄生活、最後の海](//img05.ti-da.net/usr/okinawalife/apogama.JPG)
手作りの貝殻アクセサリーときれいな貝とPRADAの香水を頂いた
大切にします ありがとう
![素潜りDay~沖縄生活、最後の海](//img05.ti-da.net/usr/okinawalife/pradasfin.jpg)
大度
昨晩は、午後から風が北に変わって来ているので、明日は大度に11時集合と言うことで解散した。真栄田が大荒れなので大度が満車の大盛況である。昨日、万座で魚を突いていたうちなんちゅうのケンジ君は朝(満潮時)から大度でサーフィンである。そのあと突き仲間と合流して魚突きだそうだ。確かに大度だと時間差でどちらも楽しめる。合理的な趣味の選択だなあと感心する。
我々は魚突きをしないので「では水中で」と別れて、いつもの水路からエントリーする。うみぼーずさんは、少し海底の様子が変わったかな。など言いながら久しぶりの大度を楽しんでいるようだが、僕はなぜか落ち着かない。やたら背後や、潜っては青い海の向こうが気になる。大度や山城海岸でのサメの目撃例は多数ある。今まで全く気にしていなかったのに妙な感じだ。うみぼーずさんには申し訳ないが少し早めに切り上げてしまった。
砂辺
5日間の日程で沖縄にやって来て、まず初日は砂辺である。今年の初潜りは真栄田だったが、この日は砂辺初潜りである。1月にしては暑いくらいの陽気だ。護岸の拡張工事も進み、立派になった防波堤から海を眺めると、これまた1月にしては珍しくベタ凪である。クジラの鳴き声ももう聴こえるかなあと言いながら、穏やかな海へエントリーする。水深15~6mで漂って耳を澄ませば、かなり遠いがホエールソングが聴こえてくる。もうザトウクジラも慶良間海域に来ているようだ。
ホーシュー(万座毛)
この日は、気温25度、風は南東で夏のようだ。真栄田も凪いでいるが、これなら万座にも入れる。糸満から高速で恩名村へと向かう。釣り小屋直下のホーシュー北からエントリーする。海はベタ凪だが平日とあってダイバーは全くいてない。万座毛直下の洞窟に入ったり、ホエールソングに耳を澄ませて楽しんでいるのも束の間で、このあと沖縄の海で人生最大の恐怖を体験することとなる。この日は、デジカメの水中ハウジングを忘れたので水中写真が無いのは残念である。
海は穏やかだが、沖には・・・
万座毛から南側のポイントへ泳いで移動しようと、釣り人の投げるルアーの邪魔にならないように沖へ出ると、足元は真っ青な深い海で何も見えない。ホエールソングも聴こえたし、ここにクジラが出てもおかしくないよなあ。なんて他愛のない会話を交わし、ちょっと深く潜ってみるかと呼吸を整えて目をつぶってリラックスしていると、いきなり腕を掴まれたので、びっくりして振り返ると、「サメ!」と、うみぼーずさんが叫んでいる。そして「下を見てみなよ」と言われて水中を覗くと、3~4m下で2匹のサメが回っている。そして、その後ろからもう2匹がこちらに向かって泳いでくる。
「うみぼーずさん、やばいよ」と言い放ち全力でフィンキックをしながら逃げる。しかし、サメは2~3mの距離を保ちながら、品定めをするかのようにゆっくりと泳ぎ着いてくる。なんと6匹も集まってくる。サイズは2mぐらいだが、数が多すぎる。さすがのうみぼーずさんもやばいと感じたのか、二人が離れないようにしてサメから目を離さないように真下、後方と振り返りながら、とにかく全力フィンキックでリーフを目指す。
ふと前を見ると釣り人が投げた仕掛けと錘が飛んでくる。頭に当たって血でも出たらどうするねん。サメが狂乱策餌して確実に襲われる。そんなことが脳裏をよぎる。そして下を見ると真下2mぐらいに迫ってきている。こうなれば来るなら来い。アタックしてきたらこちらも覚悟を決めて戦うしかない。と思いながらひたすら逃げる。うみぼーずさんも追い払うようにフィンでキックしている。
この時ばかりはロングフィンで良かったとつくづく思った。ロングフィンのおかげでこちらの全長も大きく見えるだろう。サイズ的にはサメと対等なので、サメもかなり警戒していたようだ。これ以上深追いして浅場に行くのは危険と判断したのだろうか、リーフが見えてきた頃には向きを変えて去っていった。サメが去ったのは確認できたが、僕はそのままリーフを超えてとりあえず足が着くところまで泳ぎ切った。が、うみぼーずさんは、サメが去ったリーフの手前でまだ泳いでいる。
彼はカメラを持っていたのに写真に収められなかったのが残念そうだ。もし、僕がデジカメを持っていたとしてもまず写真には撮れなかっただろうが、今思い起こせばいいアングルは何度もあったし、あのずんぐりした体形と悪そうな目は脳裏に焼きついている。サメの種類はなんだったんだろう。詳しくは特定できないが、メジロザメ科のサメだろうか。
今まで海でサメと遭遇したことはなかったので、今回は不意を付かれてちょっと(かなり?)びびってしまったが、いきなりアタックしてくることもないし、向こうもかなり警戒していたので、2mぐらいのサメだとそう恐れることもないのだろうか。沖縄の海を最後にして意外な大物に遭遇してしまった。
再び万座毛(アポガマ)
この日は素潜り、魚突きメンバーが集まって僕の送別BBQをしてくれる。昨日の今日で、サメとの遭遇をみんなに話すが、あまり怖がった様子はない。へぇ~という感じ。我々もリベンジで今日はせめて写真は撮りたいと思うが、土曜日とあって大勢のスクーバダイバー賑わっている。外人ダイバーがほとんどだ。真夏のような人出で、これだけの人がスクーバで潜っていればサメも来ないだろう。
いつもは持たない水中ナイフと昼間なのに水中ライトを持って入る。水中ライトはいざと言うときに目に当てて目くらましにするか、電池を出して水中で放電さすと、その電流に驚いて逃げるらしい。今日は人数も多い。ドロップオフの壁を背に潜っていると安堵感があるし、リーフへとすぐに逃げられる。サメリベンジは出来なかったが、大勢集まってのBBQは楽しかった。このような宴を催してくれて感激である。
ダイナミックなホーシューのドロップオフ
手作りの貝殻アクセサリーときれいな貝とPRADAの香水を頂いた
大切にします ありがとう
![素潜りDay~沖縄生活、最後の海](http://img05.ti-da.net/usr/okinawalife/pradasfin.jpg)
大度
昨晩は、午後から風が北に変わって来ているので、明日は大度に11時集合と言うことで解散した。真栄田が大荒れなので大度が満車の大盛況である。昨日、万座で魚を突いていたうちなんちゅうのケンジ君は朝(満潮時)から大度でサーフィンである。そのあと突き仲間と合流して魚突きだそうだ。確かに大度だと時間差でどちらも楽しめる。合理的な趣味の選択だなあと感心する。
我々は魚突きをしないので「では水中で」と別れて、いつもの水路からエントリーする。うみぼーずさんは、少し海底の様子が変わったかな。など言いながら久しぶりの大度を楽しんでいるようだが、僕はなぜか落ち着かない。やたら背後や、潜っては青い海の向こうが気になる。大度や山城海岸でのサメの目撃例は多数ある。今まで全く気にしていなかったのに妙な感じだ。うみぼーずさんには申し訳ないが少し早めに切り上げてしまった。
Posted by 群青 at 08:05
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